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ArtistsKunitachi Shashin-kan

2025.05.17 sat – 06.01 sun

柴田敏雄

1949年、東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻で版画や絵画制作を行う。修了後、ベルギー文部省から奨学金を受け、ゲント市王立アカデミーに入学し、新設された写真学科へ進学。ここで本格的に写真を始め、大判カメラによるモノクロ写真の制作に取り組み始める。 79年に帰国後、ツァイト・フォト・サロンで継続的に個展を開催。細部まで緻密に描写され、緊張感がありながらも優美さを備えた唯一無二の風景写真として注目を集める。 代表的なシリーズである「日本典型」は、柴田自身が「日本の国土の4分の3以上が山岳地帯であるため、生産的な土地利用には常に自然との闘いが伴う」と述べる通り、山を切り拓き河川を治水する自然と人とのせめぎ合いの場面を捉えたものだが、作品に表れるその「闘い」の痕は造形的に美しく、畏怖さえ漂わせている。その美しさは魅力的でありながらも、人が制御しきれないものの力を感じさせる。 92年に木村伊兵衛写真賞を受賞。2000年代からはカラー写真も発表し始める。日本の現代写真を代表する写真家の一人として国際的にも活躍し、国内外で多数の展覧会を開催。その作品は世界中の美術館に収蔵されている。